top of page

西田幾多郎墨蹟展

​​2023年7月26日(水)~9月3日(日)

 『書』は東洋に特有の芸術です。
 書かれた文字には、書いた人の精神・気風・風格などが自ずと表れると言われます。
書が鑑賞され、珍重されてきたのは、発した言葉や本来の専門の成果でも表われ得ないようなその人の芯―思想の源泉―を理解するための手がかりを、書から感じとることが出来ると考えられていたこともあるでしょう。
 西田幾多郎の書は、殆ど独学です。
 本格的に揮毫を始めた大正時代から京大退官後暫くは、軟らかい筆を用いており、丁寧に、緩やかに書かれた作品がおおく見られます。
 その後、昭和七年頃からは、書くことに慣れてきたこと、硬い筆を用いるようになったことなどからか、鋭く勁い「風雪に晒され枯れきった枯木のような」―西田の性格がはっきりと表れ出たような―作品に変わっていきました。そして、昭和十四年頃には、再び軟らかい筆を好むようになり、潤いのある、伸び伸びとした、「自在な柔らかさ」とでも表現できるような作品に変化していきます。

  当館が所蔵する書の数々は、手錢白三郎が折にふれ、西田に直接揮毫を願ったものです。


 企画展では、西田の書13点と、西田から手錢白三郎に宛てた手紙や葉書を展示します。

展示作品

写真一覧をご覧ください

bottom of page